2007年04月20日

All for one, One for all

はやいもので、もうかれこれ一週間経ちますが、先週末の九州救助犬協会から講師をお招きしての訓練は、まことに得がたい3日間でした。
訓練部長であるK所長は、犬に関する知識、経験とも驚くほど豊富なのはもちろん、お話をうかがっていまして、そのお人柄にもいたく感激したのです。
また、全くの手弁当で駆けつけてくれた黒らぶ警備隊のお2人も、はじめは冗談半分で「いっしょに来ませんか?」と自分で言っておきながら、まさかホントにお越しになるとは思ってもみなかったので、恐縮するやら感激するやらで、とても感謝しています。

考えてもみてください。
このお三方は、「他人の犬を作る」ことに惜しげもなく手を貸してくれているのです。
これって実はすごいことなんですよ。

犬に限らず、モノつくりやセールスでも同じことが言えますが、熟練すればするほど、そう簡単に自分の技能や知識や経験を他人に披露することはありません。
犬の世界でもプロと言われる方々は特に、いわば「自分の犬」や「有償で預かった犬」を立派に仕上げることによって生活の糧を得ているわけですから、これは至極当然のことなのです。
世界中の犬が素人の手によって、みんな名犬になったら、失業ですもんね。
ただ、「救助犬」という分野においては、日本では全くのボランティアだというのが現状なので、育成から実働に至るまで、得られるものは「名誉」でしかありません。
それでも、自分の愛するワンコのためなら、まぁ、それもありでしょうが、他人にまで手を貸すなんてなかなか出来ることではないのです。

実働で成果を上げるだけじゃなくて、他所の育成を含め救助犬そのものの全体のレベルアップを図る、ひいてはそれが、きっと社会のためになる・・・・・その考え方こそが本当の「ボランティア精神」ではないでしょうか。
まだまだレベル1くらいの私と花ちゃんですが、そんな風に思いました。


既に黒らぶさんのブログでも紹介されていますが、股関節形成不全を持つワンコのハンドラーさんが、講義の中で質問しました。

「高所通過などが出来ないと、救助犬には向かないのでしょうか?」

K所長はホワイトボードに図を描きながら、

「例えば、このような倒壊家屋があったとします。足が悪いのなら上には登れませんよね。
でも、下からなら、周りからなら探すことができます。で、ここに小さな穴が開いていたとする、そしてこの小さな穴からのニオイに反応したとします。そのときには、仲間に“ここに反応しているので、中に入れるコが探してみてくれないか”と依頼すればいい。
実働では一人で探すことはありません。ならばチームでカバーし合えばいいのです。
要は適材適所です。そのコにもきっとできる仕事がありますよ。あきらめずにがんばってください」
とニッコリ微笑んで答えてくださいました。

私、そのコがどんな思いで今まで過ごしてきたかを知っているだけに、いい歳こいて不覚にも涙チョチョ切れそうでした。

この人たちに出会えただけも、訓練を続けてきた甲斐がありました。


IMG_0441.JPG

ニックネーム 空 at 00:00| Comment(6) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする